キリムとは?

キリムは、アナトリア高原から広がるチュルク族、遊牧民たちが織る平織りの敷物です。
幾何学のモチーフはさまざまな意味を持ち、独創的な色やデザインは、その芸術性の高さでも注目されています。

キリムの語源について

キリムとはもともと日本語だったSUSHI(スシ)とか、もともとフィンランド語だったSAUNA(サウナ)などの言葉が、英語やその他の言語に取り入れられて一般に使われる言葉になったのと同じように、もともとトルコ語で使われていたKILIM(キリム)という言葉は、世界中で一般に使われるようになったトルコ語です。ウールの平織りのものを指していて、敷物に限らずテント布や収納用具などの生活道具として使われていたものも、すべてキリムです。
現在ではトルコといえばトルコ共和国のことですが、トルコ語を話す民族=チュルク族はアナトリア高原から中央アジアの広い地域に住んでいますから、キリムの文化圏もとても広いことがわかります。
そのほかの近隣諸国では、ケレム、ギリムなど様々な発音で呼ばれているようです。ウールの平織りの敷物は、アフリカや南米などの広い地域で作られていましたが、中でもトルコ(アナトリア)のものはデザインや色が美しく、19世紀の末ごろから欧米の人々が好んで買い求めるようになったため、平織りの敷物の総称として、トルコ語のキリムが使われるようになったのです。

キリム織りの技法

キリムとは下の図は、一般的なキリムの織り目を拡大したもの。トルコでは垂直に縦糸をぴんと張った織り機に、横糸を通して目を詰めていきます。色を切り替えるときは、横糸を折り返しますから、幾何学模様を織り込んでいくと、切り替え部分には隙間ができるのです。キリムを織る技法や道具は、トルコ、中央アジア、イラン(ペルシア)でそれぞれ違ったものが見られます。
最もシンプルな平織りのほかに、飾り糸を織り込んでより複雑で頑丈な織りをつくる、ジジム(Cicim)やスマック(Sumak)、ジリ(Gili)など、さまざまな技法が用いられますが、すべて総称してキリムとして扱われます。
参考までに、英語でカーペット、ラグと呼ばれているのは、縦糸に結びつけた毛糸をカットしてパイル(毛足)のあるもので、キリムは含まれません。


一般的なキリム


毛足のあるカーペット


飾り糸を織り込むジジム

刺繍のように見えるスマック